嬉しい知らせは突然やってくる。 でもよく考えてみると勝手に準備が整っていたりもする。
学生時代からの友だち、在学中も一緒にコレクションブランドのアシスタントをしたり、卒業後の就職先も同じ。ニューヨークのスタジオにも私の帰国後に働き出した。 これだけ同じ景色を見た人はいないと思う。 楽しいことも、辛いことも、ハラハラすることも、苦しく腹が立つことも、眩しいほどの場面も。 同じようなことで悩み、同じようなことでも喜びあったとも思う。
ニューヨークで働き続けている彼女から 「ウエディングドレスを作って欲しい」とメールが来た。 大切な友だちの祝福を飾れることも嬉しい。けれど彼女からのオーダーは私にとってさらに大きな意味を持つ。 いつか仕事で帰りたいと思っている街に住む彼女から仕事の依頼。 わたしが挫折してしまった街で活躍し続ける彼女を通して自分が作ったものがその街に戻る。しかも、自分が改めて始めた針と糸を持つ形で。
大きな大きな煌びやかな仕事ではないかもしれない。 いや、比べることなんてできない、とても穏やかで幸せな仕事。
日本で作って送って欲しい くらいに彼女は思っていたようだけれど、輸送やフィッティングの問題もある。何よりも私に頼むのなら!と考えニューヨークで製作することを提案した。 ご主人も共に快諾してくださり、ニューヨークを再び訪れることが決まった。 その日はちょうど三年前ニューヨークから日本へ戻ってきた頃。 嬉しさと不思議な巡り合わせ。
渡航まで二ヶ月半。 この話を自分のことのように喜んでくれる人たちに出会えたことにも感謝しかなかった。 いってらっしゃい と言われるたびに涙がこぼれないように必死だったんだ。
針と糸を持つことを続けていてよかった。 だから出会えた人、足を運べた場所がたくさんたくさんある。 これからもきっといろんな景色を見せに私を運んでくれると思う。
ニューヨーク製作滞在記 -02- 12 05 2016
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5/6〜19 までNYに滞在しています。 お時間許していただいた方々にその理由と滞在記をお伝えしたく、少しずつの発信ではありますがここに記します。 三年振りのNYでの活動を、過去とこれからを強くしなやかに結ぶものに。
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