2013年から 舟形ポーチ を作り続けている。 きっかけは、商品企画・生産を少し手伝っていたテキスタイルブランド【JUBILEE (Click!) 】からの「ポーチ、作りたいんですよね。」という一言だった。 母の日の催事でデビューしたいとの希望。 形もサイズも特に指示はなかったので、どんなテキスタイルが乗っても成立する形にしたかった。 試作を重ねてサイズにあたりをつけ、使いやすいさってなんだろうと仕様に落とし込んだ。 そうやって出来上がったのがファスナー付きの舟形ポーチ。 自立する底マチがついて、ファスナーを被せで隠して全面にテキスタイルが見える仕様。 立体でテキスタイルの見え方にも変化が生まれた。 被せをつけたことで中身が他の人からは見えにくく、ファスナーは指先や爪をきずつけないような優しく柔らかいファスナーを選んだ。 布袋、ポーチではあるけれど、クラッシックなハンドバッグを少し意識して仕様を考えた。 翌年、個展で展示用にポーチを作る必要があった。 ファスナーを使いたくなかったので、機巧は一緒、被せを深めにしてファスナーを無くした。 隙間から指を入れて物を取り出していたらお客様の一人が あたまをくるりと返した。 そんなつもりで作っていなかったので驚いた。 隙間から指を入れいれるだけしか開閉部がないと思っていたのに、あたまをくるりと返したことで開閉部が全面に現れた。 その後もこの舟形ポーチの形を気に入っていただき、中綿入りで富士吉田の絹機屋さんともモノづくりをご一緒した。 製作過程で見つけた新たな発見はその都度取り入れ、誰かが何気なく呟いたひと言もアイディアへと繋がった。 今、主に製作している舟形ポーチ『 あたまをくるりと返す 』は、日本の文化の中で培われた ≪折る・たたむ・重ねる≫を取り入れファスナーやボタンを使わずに開閉できる仕様になっている。 私なりに日本人らしいモノづくりのカタチの模索で出会ったものでもある。 ----- 舟形ポーチ、舟の形。 私が作った舟はそれぞれの役目を負い、それぞれでどんどん海原に進んで行った。 私は作って納めるだけ、舟を造って港に着水させるまでが仕事。 その舟は私をどんどん知らない場所へ連れて行ってくれる。 そんな思いやイメージがいつの間にか湧いていた。 未だ見ぬ大陸に出会えるように、新しい島を見つけられらように、さらにいい潮に乗れるように、高い波を越えられるように、たくさんの景色を眺められるように、どこかで別の舟にすれ違えるように… そんな気持ちで舟形ポーチには少しずつ新しいアイディアを乗せて作り続けている。 そしてどんな嵐にも飲み込まれないように… この舟形ポーチのプロジェクトは【 519ship project (ゴーゴーシッププロジェクト) 】。 519 →go 行く →GO GO。 519は私の誕生日、私を表す数字。 風を受け、波に乗り、然るべき場所へ舟はきっと舵をとり辿り着いてくれると信じて新しい舟を作り続けます。 3年目の519ship project、とても楽しみです。 ≪航海記録≫ ・伊勢丹 / 新宿 (JUBILEE) 終了 ・Spiral Market / 青山 二子玉川 KITTE (JUBILEE) 終了 ・GALLERY MITATE / 六本木 (JUBILEE) 終了 ・紙もの雑貨店 setia / 三条市 終了 ・御坊市 にて "FURICO と イカラシ" / 三条市 終了 ・新潟県立万代島美術館 ミュージアムショップ BANBI / 新潟市 終了 ・水と土の芸術祭 オフィシャルショップ blue&brown / 10月中旬まで! ・hickory03travelers / 新潟市 秋の新色検討中! ・ギャラリーショップ 草舟 / 新発田市 オリジナル藍猫カラーで販売中!
|