「着心地の良い服です、着易い服です。」
となかなか自分からは言えないけれど、
《着心地が良くなるように、着易いように作る努力をしています。≫
と言えます。

私は身長も体重も標準体型ではなく大きめ、さらに強めの鳩胸、肩甲骨は隆起気味、前肩、猫背、厚身体という知れば知るほど変わった体型でした。
遺伝プラス小学生の頃の水泳の影響です。
そして、さらにしっかり女性らしい脂肪の付き方。
専門学校1年の頃は自分をモデルに作品を作るわけですが、大げさに言うとメンズとレディースの両方を意識して作らなければいけないパターンなのでした。
自分の身体を寸法で線で捉え、布を裁ち立体にする。
変な体型だなーと思って「ダイエットしよぅ…」と小さく呟いたら、近くにいた先生は「骨格はダイエットしても変わらないからこんなもんだよ」と無慈悲なコメントを残したのでした。
毎回毎回仮縫いの体型補正が多くて、人よりもたくさんの補正の仕方を教えてもらったと思っています。(先生に補正される姿を友達たちは眺め 変な身体だねー とよく言っていました…)

舞台衣装の仕事をする中では 動きの邪魔をしないこと、かつ美しい姿であること を求められることも度々。
筋肉・筋、関節、骨、痛点、動いた時の空間や床との距離感… さらにそんなことを踏まえてものを作らせてもらいました。
照明、舞台美術、会場の広さと見え方、舞台上でのキャスト同士での見え方も。

アパレルブランドにいた時には着た時の見え方を。
シルエット、素材感、素材同士の組み合わせ、他のアイテムとのバランス、ブランドコンセプト、雰囲気…


今までやってきたことをちょっとずつ活かし、今作りたいもの、着て欲しいもの、を作っています。
それが一人でも多くの人にとって

「着心地が良くて着易い」

と感じてもらえたら最高に嬉しいです。