19歳で亡くなった友だちは最期まで
「服が作りたい」
と言っていた。
闘病中のメールにも、一時退院のときにも。

たしか今日か明日が誕生日だったと思う。
おぼろげであっても命日よりも誕生日を覚えていたい。

嶺くん、わたしは服を作れてるかな。
空を仰ぐことと風の匂いを嗅ぐこと。
一日の終わり、作業場から家への15分。
日常からもう一つの日常へ掛る橋を渡るような時間。

本を読み終え背表紙を閉じながらつく、深い呼吸に似ている。
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「これ、貸すよ」
と一冊の本を渡された。
読みたかった本、 ありがとう と受け取ると
「もう一冊あるけど」
と二冊目の本を渡された。
受け取って表紙に目を落とした途端、読むともなく入ってきた表題とそこに描かれた色彩に涙が溢れた。
「こっちだね」
と一言放って友達は黙って隣にいた。
一冊の本を受け取ってこんな風になるのは初めてだった。

寝る前にそっと開く。
無理のない量を読み、美しい色のしおり紐を丁寧に挟んで本を閉じる。

今日という日をどこか照らし合うように、
今日という日を記すように本を読む。






自問自答を繰り返す中で
ふと現れる言葉
自分の中から出てきたけれど
いまひとつ意味がしっかり落ちてこない

辞書で調べ
また現れた言葉を 辞書で調べ
さらに現れた疑問を いろいろと調べ

堂々巡りで明ける夜と
堂々巡りで辿り着く夢と

調べたこと全ては残らず
欠片がほんの少しずつ
また明日の自問自答へ繋がっていく

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縦糸と横糸はそこにあるだけでは交わらず、機に掛けられ杼が通うことで織りなされる。
互いに緊張を保つことで織りなされる。

『機』としての三条ものづくり学校
『杼』としてのブルエノデザイン室
時々わたしたちの『織』に色糸となってアクセントを与えてくれた方々に心から感謝いたします。