感情を無くせば楽になると思っていた。
だけど 楽しい気持ち、ワクワクする気持ちも無くしていたんだって気付いて。 そしたらあなたのことを思い出した。 今まで出掛けるのが億劫だったけど、お出掛け着をあなたに作って欲しくて。 2年前にほんの一度、短い時間お会いした方。 一筋の涙と一緒にご注文を承った。 衣服とは、どれほどまでに心に寄り添ったものなんだろう と計り知れないことの大きさに心が震えた。 |
初めて魔法を使えた瞬間はこんな気持ちなのかもしれない。
もし わたしが魔女だったら。 友人の娘に余ったパーツでイヤリングを作ってあげた。 嬉しくて隅っこに顔を埋めたり、走り回ったり、言葉ではなく溢れた気持ちを表現しきれず 動き回るその子を見て 魔法を使ったみたいだな と思った。 今まで材料箱の隅っこにあったパーツをその場で組み立てただけだけど、 小さな耳にぶら下がって揺れるたび 光るその姿は命を宿したようだった。 本当に簡単な作業だけど、ものをつくる ということに改めて感動した嬉しくてこそばゆい出来事だった。 |