来て良かったな
買って良かったな
見れて良かったな
着れて良かったな

来なきゃわからなかったな
あぁ、楽しかったな

って言ってもらいたいから、貴重な時間を割いて足を運んでくれたみなさんに楽しんでもらえる 仕掛け を準備したいと思っている。
それ を考えると私もすごく楽しい。

天気や季節、イベントや会場のせいになんてしたくないし、来れなかった人には心から
残念でしたね
と言ってしまうくらいの 仕掛け を用意したい。

もちろん いいモノ も用意して。



毎日 一人で 一日のほとんどを作業部屋に篭って製作をしている。

… 裁断、芯貼り、縫製、アイロン …
… 明日以降の布の準備、水通し、生地干し…
同じことを毎日毎日繰り返す。

教えてもらえる環境にいないのならば、自ら目の前で起こることから学ぶしかない。
小さなことにも気付き、身に付けるしかない。

ほんの少しの上達も見逃さずに自分を褒める。
そして何故うまく行ったのか解析する。
それの繰り返し。

気付き感動することで自分の成長を確かめ、認め、実にする。

明日も良い縫い目をかけられますように。


久しぶりに出かける。
わくわくして自転車で駅に向かう途中、ふわふわとポプラの綿毛のようなものが飛んでいた。
ポプラの木、あったかな?
と周りを見渡すと洗車をしている人の泡が飛んできたものたった。

なーんだ
とも思ったけれど、一瞬とてもいい気持ちになった。

2008年夏、衣装を担当した劇団のエディンバラ公演に同行した。

朝は早めに起きて家の裏の王立植物園で散歩をし、帰ってゆっくり朝食を食べ、お昼ご飯を用意し、着物に着替えて家を出る。
new town から劇場のあるold townまで、着物を纏っているのに必ずバスの二階に上がって街を眺めるのが好きだった。
街の中頃でバスを降り、ミーティングを兼ねて他の劇団員の住むフラットへ向かう、

ポプラの綿毛が舞う大きな公園の芝生を横切って。
緑が美しく、空の広い公園にふわふわと漂うポプラの綿毛がとても不思議で綺麗だった。

ミーティングが終わるとまたふわふわとポプラの綿毛が舞う芝生を横切って街へ戻り、チラシを配りながら劇場へ向かう。

公演が終わるとまだ明るい街を散歩。晩御飯の買い物をしてまたバスに乗り込みnew townにもどる。
時にはパブで一杯飲んで帰ったり、気になる芝居を観て帰る。
フェスティバル期間はエディンバラ城でミリタリータトゥーが行われ、ほぼ毎日花火が上がった。
街の中心にある見晴らしのいい丘の上、要塞を兼ねた古い城から上がる花火とその明かりに照らされた全ての景色が本当に美しかった。

平日はほぼ毎日こんな風に過ごし、休みの日は丘に登って野うさぎを追いかけたり、気ままにバスに乗って海に出たりしていた。

朝はのんびり陽が昇り、夜の訪れもゆっくりだった。霧が立ち込めて天空の街のようになったり、大雨の後の虹を高台から眺めたり、振り返ると神様からの贈り物のようなひと夏だった。


ポプラの綿毛もどきから、ここまでいろんな記憶を蘇らせてもらった、いい一日になりそう。

日常に過去を思い出すボタンは色々なカタチで存在している。