アウトプット と インプット
という言葉をよく耳にします。
どちらかに偏ってはいけない とも。

日々 衣服を作らせていただいている環境はアウトプットに偏っているような気もしますが、
そこから得ることはとても多く、
小さな生活圏内の移ろいから取り入れる感覚もまた多く。

意識的にせずとも、
何か こう どちらかに向き合うと自ずともう片方とも向き合えるような気がしています。

そしてその 循環 は必ずしもぴったり元に戻るのではなく、
少しずれながら、幅を広めたり窄めたりしながら
ぐるぐると軌道を描くのかな と思います。

そんな 循環 の一つの軌道、
『 と イカラシ』 としてではなく、年に一回の活動、イカラシチエ子 としてこの度 たなかるり さんと医学町ビルで展示を行います。

表現の方法も方向も違う彼女ですが、
わたしに無いもの ではなく、
わたしの中にあるうまく引き出せないもの を彼女の表現の中に見つけるような感覚が時々あります。

会えば他愛のない話、そこから言葉遊びのようにどんどん広がり、それが本当になったり、楽しい嘘になったり。
こういうこと を何か作品にできたら いいね と、
いつか ふたりで 何かしたいね と。

この度、二人でつくり合ってひとつの 空間 を生み出します。

DMを三条ものづくり学校 作業場前に吊るしました、興味のある方はどうぞ切ってお持ち帰りください。

【 スミレツミ 】
たなかるり・ イカラシチエ子 によるインスタレーション作品展示
日 3/24(金) - 4/2(日)
時 12:00-18:00 / 土日11:00-19:00
※4/1 ライブドレーピングとライブペインティング
場 医学町ビル 201
新潟市中央区医学町通一番町41
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気候が思い出させる記憶みたいなのが時々ある。
今日は佐賀町の食糧ビルディングのことをふと思い出した。
食糧ビルディングが無くなる前のたくさんの作家が参加していたエキシビション。
覚えているのは奈良美智さんくらいだけど、展示されていた作品の断片みたいなのは所々ある。
枯れたような建物にアーチがとても綺麗だった。
何処 とも 何時 とも言い切れない とても不思議な空間と時間だった。
間取りはよく覚えていないけど、おそらく二階の広い部屋、アーチの窓から ボワッ と
柔らかくて黄色い光が白い部屋にとても綺麗に射していた記憶がある。

この展示は武蔵美の空間デザイン科のかおるさんが誘ってくれた。ふたつ?年上の女性。
かおるさんはこの展示をボランティアで手伝っていた。
こんな風にかおるさんが関わるものに時々誘われた。

かおるさんとはminaの粒子展のボランティアで知り合った。
なんとなく気が合ったのか?いろんなところへ連れて行ってくれたり、教えてくれたり。
ミントデザインズのアシスタントもかおるさんがきっかけだった。
原宿のオーバカナルカフェで行われたミントのショーにも連れて行ってくれたんだった。
彼女自身の作品も見に行った。
麦わら の作品、よく覚えている。
廃棄される衣料をテーマにしたゼミの作品発表も。
彼女が教えてくれたことはじわじわ今に活きている。

かおるさんは都内のデザイン事務所(だったかな)に就職したし、わたしは三年で色々忙しくて会わなくなってしまいそれきり。
申し訳ないけど、今となっては顔もあまり思い出せない。
なんとなく声の印象はあるかな。

気候が思い出させる記憶 とともに ひとりの人のことも強く思い出した一日だった。


SHOW CASE Vol.3 シャツ

イメージ を覆っている 薄壁に
針で ふすっ と穴を生じたような

イメージの泡がひとつ弾けたような

少しずつ動き出します。

思い切り やってみたい。
なんで服をつくるってこんなに辛いんだろう
って思うことが多かったけれど、最近 楽しい
がやっと上回った気がします。

今、目の前にある作業が辛いんじゃなくて、
衣服に向き合ったときに見える景色とか、環境とか、記憶みたいなものが
なんだか辛かったのかな。

自分の名前で服をつくるようになって2年が過ぎて、
自分が作ったものがどこに届いてそこでどんな風なのか
少しずつ見たり聞いたり声が届いたりするようになって、
そういうものが飽和したのでしょうか。

寒い寒い冬に 灰色の空から
ティッシュをちぎったような雪が ぼたぼた と
いつの間にか あたり一面を真っ白に変えてしまうように
みなさんにいただいた 服をつくる というきっかけのひとつひとつが
わたしの中の景色を変えてくれました。

自分以外のひとを信じることができず ひとりでしかできなかったことが
ひとに頼ることができるようになったり。

変化 というのは 大きなきっかけによってもたらされることもあるけれど、
小さな小さな出来事の積み重ね によって現れるものでもあるのですね。

辛さ から 楽しさ が生まれたのなら
楽しさ から また新しい何かが次はうまれるのかな。

服をつくるきっかけをくださる全てのみなさまに
心から感謝します。

明日も さぁ 服をつくろう。
良くいう人の言葉も
悪くいう人の言葉も
その人のことをそれぞれに言っているだけで
その人がいい人か悪い人かではなく
その人のいろいろな面として知れることが
ただの憧れや かっこいい だけではなく
人間らしくて憎らしいほどの魅力に思えたりする。

その人以上に 周りの人 というのは
その人を教えてくれることがある。
周りとの関わりが わたし という存在を
より立体的に 浮き上がらせる のか。